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 風雨橋の下で 

 

 中国広西壮族自治区の程陽村には、トン族が住んでいる。トン族の村には必ず、鼓楼と、風雨橋と呼ばれる屋根付き橋があり、ここの風雨橋は中でも大きくて立派ということで有名である。その橋以外は特にこれといった見所が無い村だったが、なんとなく居心地が良く、私は4日間もその村に滞在していた。ある日のこと、中国語のレッスンがてら、土産売りのおばちゃん達と無駄話をしようと、いつものように風雨橋へと向かった。橋の上には両サイドにベンチがあり、私とおばちゃんたちは対面に座っていた。するとおばちゃん達は「こっちに来い。」と言って手招きし、「2塊(リャンクァイ)。」と言う。2塊とは2元(約30円)のこと。そっち側は2元取られるのか!?不思議に思いながらも別に席を移動する必要はない、と私はその場に居座った。しかしその後もおばちゃん達は、何度か手招きして「2塊。」と繰り返す。何でも商売にする奴等だ。そう思いながら私は首を横に振り、頑固にもその場に座り続けた。今になって考えてみると、あの日は快晴で、朝日がサンサンと私の背中を照らしつけていた。あのおばちゃん達が行っていた「リャンクァイ。」とは、「涼快(リャンクァイ)=涼しい」のことだということに気がついたのは、私がその村を去ってから1週間後のことである。
 



 

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