| 私が初めて訪れた海外の地はカナダ・オンタリオ州の片田舎にあるズーリック（ドイツ語読みでチューリッヒ）という小さな村だった。なぜそんな所へ行くことになったのかというと、私の母とその友人達、トールペインティング仲間が、絵を習いに１週間程カナダへ行くことになり、その先生が住んでいたのが、このズーリックという村だったのだ。私と私の伯母も同行して、当初の予定では、他のみんなが授業を受けている間、私達２人は観光ということだった。が、しかし、先生の勘違いで私達も一緒に授業を受けることに…。とはいえ、観光地など行かなくても、初の海外旅行は何を見ても刺激がいっぱいで、見るもの全てが新鮮だった。果てしなく見渡す限り広がる大地、日本でいう雀のごとく何処にでもいるリス、一般道路を時速100kmで飛ばす車、瀬戸内海の立場が無くなる程デカイ湖・ヒューロン湖、そして何よりとても暖かく親切な人々。私達は先生の家と先生の友人２人の家の３グループに分かれ、ホームステイをさせてもらった。そのうちの１人である白髪のおばあちゃんJoyは、出会ったその日に５日後の別れを惜しんで涙ぐんでいた。男性も優しく、各家庭のお父さん達は、女性陣がホームパーティーを楽しんでいるとき、台所でせっせと食器を洗っていた。そしてその姿を日本の主婦達は、「帰ったらうちの旦那に見せたんねん！」と言いながらカメラのシャッターを切っていた。 |
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